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華川(ファチョン)で心温まるナムルバプ:氷祭りの帰りに立ち寄りたい一杯

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はじめに:雪の中で出会った温もりのご飯

氷でできた彫刻やランタンが並ぶ華川山川マス氷祭りを歩いていたある日、足元から「ザクッ」と雪を踏みしめる音がしていました。指先がかじかみ、煙の香りが空気を漂う中、祭り会場のすぐそばにあるこぢんまりとした食堂にふらりと入りました。

中に入ると、ふんわりとした暖かさに包まれ、数分後にはグツグツと音を立てた陶器鉢の「ナムルバプ(나물밥)」が目の前に。山の香り、大地の味、そして懐かしさが詰まったような一杯でした。それは単なる昼食ではなく、心までほぐれる体験だったのです。

korean rice namulbap history

ナムルバプとは?

ナムルバプは、直訳すると「ナムルごはん」。炊きたての白ごはんの上に、山菜やキノコ、根菜などの和え野菜がたっぷりと乗せられた、シンプルながらも滋味深い韓国の伝統料理です。

石鍋や陶器鉢で提供されることが多く、ごま油と少量のコチュジャンを加えて混ぜながら食べます。

その味は?
素朴で香ばしく、少し甘くて、体の芯から落ち着く…そんな味わいです。

華川祭り

歴史的背景と文化的意義

ナムルバプの起源は高麗時代(918–1392)まで遡ります。当時は貴族も庶民も、季節ごとに山で採れた野草を料理に取り入れていました。
特に朝鮮時代には、自然と調和した質素で健康的な食文化として広まり、今のビビンバの原型の一つとも言われています。

厳しい冬、短い春、雨の多い夏——韓国の四季は厳しいからこそ、自然の恵みに対する感謝がこの一杯に込められているのです。

korean rice namulbap menu

華川の「江原ナムルバプ」を訪れて

氷の滑り台やマス釣り、イルミネーションで盛り上がる氷祭りですが、少し足を止めて温かい食事を楽しむなら、ここ「江原ナムルバプ」がおすすめです。

場所

華川山川マス氷祭りの正門から徒歩すぐ(道路を挟んだ向かい側)

営業時間

午前11時〜午後3時(昼食のみ)
※月曜定休

おすすめメニュー

  • ナムルバプ(나물밥):地元の山から採れた野菜がふんだんに入った石焼ご飯
  • ナマズの辛味鍋(ドゥッペギ):ピリ辛で体が温まる一品
  • 手作り餃子入り豆腐チゲ:優しい味わいで、ベジタリアンにも人気

すべての料理が、地元の旬の食材を活かした丁寧な味です。

korean rice namulbap cuisine

健康面でもうれしいナムルバプの魅力

  • ビタミンとミネラルが豊富
    山菜やキノコは抗酸化作用が高く、美容や疲労回復にも◎
  • 高食物繊維・低カロリー
    腸内環境を整え、ダイエット中の方にもおすすめ
  • 免疫力アップにも
    季節の野菜から得られるフィトケミカルは、自然な免疫サポートに役立ちます

「ただ満腹になる」のではなく、体が喜ぶ感覚が残るご飯です。

結びに:一杯に詰まった、静かな韓国

「江原ナムルバプ」の料理は、派手さもSNS映えもしないかもしれません。でも、湯気が立ち昇る陶器鉢を前に、ご飯と野菜をゆっくり混ぜていると、そこには韓国の四季と、歴史と、素朴な優しさがありました。

それは、ただの食事ではありませんでした。
まるで祖母の手料理をふと思い出すような…そんな一杯。

この冬、もし華川を訪れるなら——
氷を見た後は、山の恵みを味わってください。
あなたの心まで温めてくれる、そんなご飯が待っています。

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